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episode.5
あかねへの恋愛感情に気づいた僕。
どうやって告ろうかと悩んでいるとこだった。
相変わらず、あかねは楽しそうに笑う。
−あかねが元気に生きていられるなら僕はそれでいい。
「次は、あれ行こーよ!」
あかねが指さした方向には、教会があった。
「うん、いいよ。」
告白にいい場所だ。
心の中にある勇気を奮いたたせる。
ガチャ...
「...わぁ、すっごくきれい...」
あかねが幸せそうな目で教会のシャンデリアを見る。
今だ。
「...あかね、」
「ん?なーに?」
「僕、あかねが好きだ。」
「...え?侑里、私が好きなの?」
「うん、笑顔にやられたってゆーか...」
「...私、人生初告白されたんだけど。」
「僕は、初めて自分から告白した。」
「だろうね、侑里、イケメンだもん。」
「よく言われる。てか、告白の返事は?」
...
しばらくの沈黙のあと...
「...私も好き...」
ほっぺを赤くして、あかねが言う。
「...じゃあ、私達、ほんとの恋人だね...」
「うん、恋人。だから、手もつなぐ。」
ギュ
「は、恥ずかしいよ...。」
「手ぐらいで恥ずかしがってんの?可愛いとこあんじゃん。」
「じゃあ、今度はハグ。」
僕はあかねの体を自分の方へ引き寄せる。
ギュッ
「っ!恥ずかしい...。でも、嬉しい...」
またしても、あかねの顔は真っ赤だ。
でも、今度は笑っている。
「僕もあかねとハグ出来て嬉しい。」
「うん...」
「じゃあ、今日は帰ろっか。」
「...え?ずっと一緒に過ごそうって私、最初に言ったよ?」
「そうだっけ?」
「うん、言った。」
「僕は別に構わないけど...、あかねの家族は?」
「私の余命がもう短いから、余生はあかねの好きにしなさいって言ってた」
「そっか。じゃあ、僕んち行く?僕、上京してるから一人暮らし。」
「もう少し、外にいよう。もう少しすれば、星も見える。」
「分かった。」
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