episode.8

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episode.8

「...お、俺だって!あかねがちっちゃい頃から大好きで親の無理矢理で恋人になれたと思ってたのに!...あ、あかねは俺が好きじゃなかったんだな...。 でも、俺はあかねを手放す気は無い。」 「...お前は何が言いたいんだ?」 「...だから、あかねに俺と侑里どっちがいいか選んでもらうんだ。」 「え?そんなの決まってるでしょう。私は侑里を選びます。」 「...あ、あかね...。俺じゃだめなのか...?なんで、俺じゃなくてこんな平民を選ぶんだ...?」 「はぁ...。何回言わせるんですか?私は、何もかも完璧なあなたには会うたびに疲れていました。侑里を選ぶ理由は、私はあなたといるときより侑里といる時のほうが断然楽しいし、自分が心の底から幸せだと思えるからです。あなたといる時は幸せや楽しさなどは微塵も感じませんでした。 自分でもこんな気持ち、初めてです。」 「僕もあかねじゃなきゃこんな幸せとか感じなかった。あかねじゃないといけないんだ。」 「...俺といる時は幸せなど微塵も感じなかった...?...おい、あかね。俺はお前と会うたびに料理を作ってやったり何かしらあかねが欲しがっていたものをあげていただろう?それじゃ満足しなかったのか?」 「...私は別にものを欲しがることなどありません。お母様やお父様が勝手に言ったのでしょう。私は基本的に物欲はありません。料理も自信たっぷりに作ってたけど、正直言って美味しくありませんでした。 ...説明するこっちが疲れます。いい加減、分かってください。私が好きなのは、侑里であなたではありません。これで分かってくれましたよね? じゃあ、さようなら。 侑里、行こっか。」 「う、うん...。あかね、大丈夫なの?あんなに言っちゃって。」 「あぁ、いいのいいの。私、本気であの人嫌いだから。」
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