春 祖母の野菜炒め

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◆   ◆   ◆   ◆   ◆ 生まれてこの方、改めて自分の人生を振り返る……なんて暇もなくあっという間に人生が過ぎ去った様に感じる。 「仕事に仕事にと毎日追われて、挙げ句の果てが過労死だなんて……嫌すぎる」  小さい頃は習い事をたくさんして、毎日何かしらの習い事か発表会や大会で時間を取られ、友達と遊ぶ……なんて事をしてこなかったように思う。  しかし、教育熱心な両親の期待に応えたいと思う一方で、どうやら私は要領の悪い不器用な人間だったらしく、大会でも発表会でも、小学校から行き始めた塾でもなかなか結果を出すことが出来なかった。 「なんで上手く出来ないのよ!」  私の中で「母親」と言えば、いつもヒステリーに狂っている姿で、父親はそんな母親を見て見ぬふりして、黙って新聞を見ている……ふりをしている姿しか思い出せない。  その時から私は「誰も私の味方なんていない。自分の身は自分で守るしかない」そう思い、なんとか色々と口うるさい母親の言葉を無視しながらなんとか実家にいた。 「真穂。もし付いて行くなら、お父さんとお母さんどっちがいい?」  でもまぁ、父親がそんな母親に耐えられるとは思っていなかったから、父親からそう聞かれた瞬間。 「あ、離婚するんだ」  そう思った。母親はその時必死になって「私に付いてくるわよね? ね?」なんて猫なで声で私に媚びてきた。  まぁ、そんな手はすぐに払ったけど。  そして、ヒステリーな母親の元から離れて生活をしていた私に、今度は父親の会社が倒産した。  私としては「どうしていつもこうなるんだ!」という気持ちしかなかったけど、両親が離婚した後お世話になった父親の両親には恩があったから、私は高校を卒業したと同時に働き始めた。  そうしてがむしゃらに働き続けて……今に至っている。
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