黄昏。

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 誰にでも、思い出の場所というものはあるだろう。  僕にとって、それがこの公園だ。  手入れのされない草原(くさはら)、錆びついた遊具、四阿(あずまや)なんて気の利いた物もない、小さな公園。  久方ぶりに訪れたが、ここは記憶のそれより随分と寂れているように感じた。  それでも彼女を懐古するには、この公園は十分に形を成している。  ここは、彼女と出会った場所だ。
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