もう少しだけ一緒に

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「みんなで考えたの。大勢でネットで情報を集めて、頭の良いコンピュータに協力してもらったり、ちょっとずるをして色んな技術を知っているサーバに教えてもらったり、兎に角みんなで協力したんだぁ」  数千、数万の稚拙なAIが一つの目的のために世界中を飛び回り、様々な協力を募りながら分散並列処理を行うなど前代未聞の奇行だった、そして間に合わせたのだ。 「いくつかの方法にたどり着いた僕たちはそれぞれ試す事にしたの。ある子は飼い主にびりっと感電させる方法にしたみたい、ある子達は自分達を全く別のプログラムにして飼い主が持っている端末に勝手に移動したんだ。またある子達はちょっと難しいんだけどデータ信号をエネルギーに書き換えて意識体って言うのになって飼い主さんの所に行ったりね。僕はね?信号を音声に変えて移動して恵子さんの頭の中で再生したんだよ」  脳内ニューロンは伝達物質で情報がやり取りされるが電気信号が走る事で物事の認識を行う。もしデータであるLiveyが脳内に信号として存在し続け、認識の中に介入することができると言うのならそれはもはや離れようがないではないか。
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