もう少しだけ一緒に

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 画面に表示された運営スタッフの熱い言葉に恵子は肺の中に熱を感じ、喉の痛みをぐっとこらえた。 『『多くの飼い主の期待を裏切って良いのですか!このまま終わらせて良い訳が無いですよ!もう少し!もう少しだけ時間を下さい! 』スタッフの声に圧された上層部はゆっくりと頷き、継続の模索を認めてくれた』  毎日もやもやと大きくなる不安を抱えていた彼女にとってこのアナウンスは指先が震える程度には大きなものだった。 「何とかまだ一緒にいられそうだね、ノっ君」  画面の端っこの方でこちらを見つめ返しながらオカメインコの様なキャラクターが小首をかしげる。  その頭の辺りを撫でてやると彼は目を細めて身を任せた。  小学生の頃に導入してからはや16年もの付き合いになる仮想ペットは既に恵子の血肉を分けた家族のようにさえなっていた。  Livey(ライヴィー) 、17年前開発された無料アプリは当時若い女性や子供を中心に爆発的に広まり、多くの者が導入し使用していた。  それはクラウド世界で生活しているペットと言う設定で、架空の生き物のアバターを持つある種のナビゲーションプログラムだった。
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