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「──2人目のサンタさん。一ノ瀬さんは、誰だと思いますか?」  紗奈は机に身を乗り出して、先輩に意見を求める。 「状況証拠的には陽介さんっぽいな」  律希の真面目な口調に、紗奈はくすっと笑う。 「状況証拠って……。一ノ瀬さん、探偵みたい」  すると律希は、 「どちらかと言えば刑事……というか、二瀬(ふたせ)の口調真似したんだけど」  律希は、警視庁連携課の友人の名を挙げた。 「二瀬さんの真似ですか? 全然気付きませんでした」 「……下手で悪かった」 「えっ、そんなつもりで言ったんじゃ無いですよ」  紗奈は慌ててそう言うが、すぐに2人して笑い出した。 「僕たち、さっきからお互い馬鹿にするか、からかうかしかしてなく無い?」 「だから、私はしてませんって。一ノ瀬さんが勝手にそうしてるんでしょ」  紗奈が言うと、律希は「そうかな?」と言って笑った。そして、 「このクリスマス、もう一つ謎が有るよね」  と呟く。 「もう一つですか?」 「なぜ、プレゼントを開けた直後に、『紗奈ちゃんは水色の小鳥をノノと名付けたのか』。川野は分かる?」  さすがに、この謎には紗奈も首を傾げた。 「なんか……ノノだ! ってひらめいたんでしょうね」  そんな彼女の回答に、律希は笑いを堪える。 「……昔から直感が鋭い子だったんだね」 「私は常に、理論じゃなくて感性です」  紗奈はなぜか、胸を張って答える。 「うん、知ってる」  律希はそう言うと、窓の外を見る。しばらくそうして考え込んでから、彼は「さて」と紗奈の方を向き直った。 「さすがにノノの謎は無理だけど……マフラーの入手経路と、サンタさんのふりをした犯人は分かったよ」  
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