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「──2人目のサンタさんって、陽兄の言葉なんですね」  紗奈が呟くと、律希はうなずいた。 「確かね。僕は誰かにプレゼントをあげたかったわけじゃなくて、サンタクロースになりたかったんだよ」 「18年越しの謎がやっと解けました」  すっかり納得しきって紗奈が言う。すると律希は、 「18年越しの秘密を、話してしまいましたね」  と言った。 「ずっと謎なままにしといた方がよかったかな?」  紗奈は少し考えて首を振る。 「私、ずっと『2人目のサンタさん』にお礼が言いたかったんです。  18年前は、プレゼントありがとうございました、律希サンタさん!」  紗奈が言うと、律希は「いえいえ」と首を振った。 「楽しかったからいいんだ。陽介兄さんが、『紗奈がめっちゃ喜んで、ノノって名前つけてたよ』って教えてくれた時は、すごく嬉しかった。  将来サンタさんになろうかな、なんて考えたくらい」 「将来の夢サンタさんって律希君、可愛い」  紗奈が笑うと、「当時は本気だったけど……」と律希も笑った。  店内のBGMのクリスマスソングが、また違う曲に変わる。  紗奈は「あっ」と何かを思い出して、かばんの中をあさり始めた。 「川野?」  紗奈の行動に、律希が不思議そうに聞いた。 「ちょっと待ってて下さいね……」  そう言って、紗奈は綺麗な半透明のラッピングの袋を取り出した。 「メリークリスマス! 一ノ瀬さん」  両手でその袋を渡すと、律希は少し驚いたように目を見開いた。 「えっと……ありがとう」    律希の曖昧な反応に、紗奈は少し不安を覚える。袋の中は、最城駅で買ったお菓子だ。 「あっ……苦手だったりしますか?」  プレゼント選びをミスしただろうか。そう心配になった紗奈に、律希は慌てて言った。 「ごめん、そうじゃなくて……プレゼントはすごい嬉しいんだけど、」 「……?」
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