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「そうと決まったら作戦開始だ! クリスマスは後一週間でやって来る。それまでに、プレゼントを用意しなきゃならないんだ」
「何あげるの?」
「……何がいいと思う?」
作戦を考えた陽介にも考えは無いらしい。紗奈は首を傾げて、「あっ」と何かを思い出した。
「グレーのまふらー! お母さん、欲しいって言ってたよ」
マフラーなら、自分たちのお金で買えそうだ。陽介はパチンと指を鳴らして、「それで決まりだ!」と言った。
「そうと決まったら、後はどこで入手するかだね。……出来たら自力で手に入れたいな。お父さん隠しごと下手そうだし」
「ね。お父さんじゃ心配」
紗奈の同意も受けて、陽介は考え込んだ。そして、ある人の名前を思いつく。
「そうだ! 弓月さんに相談してみよう! そしたら、どうにかしてくれるかも」
「ゆづきさん……?」
「うん。だから、マフラーの入手は陽兄に任せて! 紗奈はサンタさんからお母さんへのクリスマスカードの準備をお願い!」
陽介は早口でそう指示する。不明な点が多いものの、紗奈は「らじゃっ」と答えた。
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