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「紗奈、紗奈ったら! 起きてよー!」  陽介に揺すられて、紗奈はハッと目を覚ました。 「……朝?」 「クリスマスの朝! ほら、プレゼントがあるよ!」  陽介に言われて、紗奈は寝ぼけ眼をこすって枕元を見る。目に入ったのは、赤いリボンのかかった綺麗な箱。紗奈はパチッと目を覚ました。 「あっ、プレゼントだー!」  紗奈は、嬉しさにプレゼントを抱くと、するするとリボンをほどいた。  中から出て来たのは、ふわふわのうさぎのぬいぐるみだった。 「可愛い……!」  紗奈はうさぎをぎゅっと抱きしめる。顔をくっつけると、優しい触り心地だ。ふわふわした毛が、紗奈の頬をくすぐる。  紗奈は十分に幸せだった。しかしその時、紗奈はもう二つプレゼントが置いてあるのに気が付いた。 「これ、陽兄(ようにい)の?」 「違うよ。それも紗奈のじゃない?」  首を傾げて、紗奈はまず大きい方の袋を開ける。  中に入っていたのは、うさぎと同じようにふわふわで暖かな、白い手袋だった。  紗奈は早速手袋をはめると、自分の頬に両手を当てる。 「あったかい……」 「ね! これ本当にあったかい」 「えっ、陽兄ももらったの?」  陽介を見ると、彼は紗奈と同じデザインの、グレーの手袋をつけていた。 「うん。もらった」  嬉しそうな表情の兄に、紗奈は聞く。 「これ、誰がくれたの? サンタさん?」  すると陽介は首を振る。 「サンタさんはうさぎのぬいぐるみだろ? これは、お母さんの会社の、俺がよくお世話になってる人がくれたんだ。紗奈にもね」  紗奈は納得して、会ったことのないその人に心の中で「ありがとうございます」と感謝した。  そして、陽介が急かすままに、小さな袋も開ける。 「あっ、ノノ!」  紗奈は、中にあったものを見て声を上げた。すると陽介は「ノノ?」と首を傾げる。 「えっ、そのキャラクター、ノノって名前なの?」    
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