お一人目 わか様

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お一人目 わか様

「いってきまーちゅ」 元気にお船から飛び出して、お手紙の住所にテコテコ。 「とーきょー駅の、んーと、どの電車でちょ?」 メモを見ながらキョロキョロ。 『迷ったらこのお洋服を着ている係の人に聞くのよ?』 「凛しゃんに教えてもらったお洋服の人……あ、見つけた!」 カウンターには到底届かず、「ちゅみまちぇーん」と声をかける。 「ちゅみまちぇーん!係の人ぉー!ここでちゅー!」 やっと見つけてくれた係の人に駅の名前を見せると、「ここを真っ直ぐに行くと改札口があって……おいで。連れてってあげる」 「はいでちゅ」 係の人に案内され、何故かお部屋のお椅子に座らされ、貰ったパックのジュースをちゅーちゅー。 「お母さんは?」 「いまちぇん」 「お父さんは?」 「いないでちゅよ?」 「お兄さんとかお姉さんとか、大人の人は?」 お兄さんとお姉さん??? 「お家にいまちゅよ?」 お船がお家なので間違ってはいない。 「電話番号わかるかな?」 「電灯……あ、おちっこ!」 そのままトテテテテと逃げ、違う係の人に切符を買って貰ってやっと一息。 「迷子と思われまちた……」 来た電車はメモに書いてあるお写真と同じ。 「えっと、四個目のところで降りて、バスに乗る……んと、10番のバス!」 何度も読んでから降りてバス乗り場へ。 「確か100ペリー。あ、円でちた」 何とか乗り込み、目的のバス停で降りると一人の女の人。
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