2.橘百音

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 大好きな人――純ちゃんから、高校の卒業式前日に呼び出された。平静を装ったつもりだったが、内心、かなり胸が躍った。タイミングを考えても告白される。この日をどれだけ待ち望んだことか。自分から告白すればよかったんだろうけど、ずっとその勇気が持てずにいたのだ。    卒業式も近いからか、同時にアイツからも話があると言われた。直球で断ると後が怖いので、曖昧にうなずき、こちらはスルーすると決めていた。
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