1.吉田純平《よしだじゅんぺい》

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 目一杯グラブを伸ばし、最後の最後は地面を蹴った。白球は――グラブの先端に当たって、そのままグランドを転々と転がっていく。    湧き上がる歓声とどよめく悲鳴。    ランナーがホームインするまでに僕ができたことは、ただただグランドに正座することだけだった。    ゲームセット。    ――終わった。負けた。
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