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成績優秀愛人と落ちこぼれ
実際のところ、俺、ジョナサン・エルネストは、学園国家アカデミーの王になったのだが、今でも先生と、当然のように呼ばれていた。
当時、俺が受け持った生徒は、初年級の13歳から14歳の娘っ子達で、1番年下のイシノモリ・ユノの年齢レベルの話ですると、アカデミー建国の時、ユノは14歳だった。
本来、アカデミーは4年制から6年制の学府だった。
通常は4年で卒業するのだが、更に上のアカデミー院に通うと、更に2年かかる。
王都学術院とは違うのだが、俺は教員になる為に、2年余計にかかって卒業した。
問題は、進級論文試験、そこにあった。
アカデミー建国後も、俺は論文とひたすら付き合ってきた。
初年級の生徒が、アカデミー建国と同時に卒業した場合、最短で2年と言うことになる。
最短時間で卒業出来たのは、愛人達のアリエール・リトバール、イゾルテ・フレイア、エメルダ・パストーリ、それとミラージュ・デラ・ウィンシュタットの4人だけだった。
あと愛人じゃないがルルコット・タルボットもいた。
ハッキリ言って、たった2年で卒業出来たのは、論文の出来もそうだが、何よりあいつ等には、それどころじゃない家庭の問題があって。
ミラージュは中央国家セントラル女王に戴冠。
エメルダはウエスト・ランドの首長に使命就任。
アリエールとイゾルテは揃って空中機動要塞ダインクーガーの城主と副官になった。
正直、この実技レベルカンストの愛人達は、呑気に生徒なんかやってる場合じゃなかった。
とりあえず、連中は論文試験を問題なく突破。
特にミラージュ凄かったな。
「呪殺系魔法が人体に及ぼす効果と治療延命の可能性について」って、誰で人体実験したんだろうな?
呪殺系って、効果はよく解らんがとりあえず相手は死ぬって魔法だったよな?
食らった相手は、皮膚組織がボロボロになって、やがてブクブク泡立ったヘドロになって死ぬらしいが。どこかで見たのかな?ミラージュは。
俺が知らないところで、魔王がドリゴール・ボリバルを呪殺系で殺していたらしい。
よっぽど慌てたんだろうな。確か、核でユノ達を殺そうとしたらしいんだが。
まあいいや。結局4人は俺の子妊娠したんだし。
そろそろアリエールも臨月だったよな。
実家に帰って出産かあ。
男の子だから嬉しいしなあ。
坊主はまだフェリックスだけだし。
問題は、こいつ等なんだよなあ。
最終的に、今も残っているのはこいつ等だった。
「で、改めて言うよ。お前等やる気あるのか?」
教員のエロ国王は言った。
ふてぶてしい落ちこぼれ達が、あん?って顔をしていた。
「これが最後のチャンスなんだぞ?お前等に今更高度な魔法理論とかを要求するつもりはない。理事会に普通に紹介出来る論文提出すればいいんだ。原稿から手を離せブリュンヒルデお前はああああああああああ!ユノ!頼むから足ブラブラさせんなああああああ!」
今くまさん見せてたな。
「で、だ。今年でお前等が卒業する為の、論文の小テストをしようと思う」
ブーブー言ってやがんなこいつ等。
「求められんのは、普通のタイトル、普通の体裁、普通の量だ。卒論合格ってなると、紙30枚レベルの執筆量が要求される。まあ1年かけて書き上げられるレベルだからな?本来ならとっくに10枚は書いてなきゃおかしい。お前等、今何枚上がってる?」
「今現在、「にぱっとプクっ」が12ページまでですが何か?」
「誰がお前の薄い本の進捗状況聞いたボケえええええええええええええええ!!!って言うか誰に聞いた?!」
「私です。やっと先生にしてもらえた時のドキドキをどう表現するか。それをブリュンヒルデに相談してました。これが論文です」
「何だこりゃああああああああああああああああ?!「私と先生のポカポカした時間がもたらす幸せについて」?!ってこんなん理事会に提出出来るかああああボケえええええええええええええ!!」
「まだ半ばの出来です。2人目の赤ちゃんが出来た時、論文は完成します」
確かに言ったけどさ。2人目作ろうって。
ポカポカのユノニャンはヌルヌルびちょびちょで、中はキュンキュンで。
もういい忘れろそれは!
「そもそも論文てものが何なのかを勉強し直せ!まずこれからだ!「何故太陽が東から登るのか」!ページは2枚!時間は15分以内!始め!」
何この魔法幼稚園ひまわり組。
俺は釈然としなかった。
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