ババア召喚

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ババア召喚

最終戦は始まったが、確かに魔王の動きは料理を知っている者の動きだが、何かを作ると言う気はないように見えた。 「おめ何してんきゃあ?今更ながら焼きそば作る気きゃあ?それであたしに勝てる訳なかんべや」 「神がアカデミーにいたと言う話はもう聞いていた。こっちでプロレスだと?何を考えているのだ貴様等は。なので墓掘りさんになった訳だが。貴様、スピニング・トー・ホールドだと?テキサス・ブロンコだと?いつの時代のプロレスをパクれば気が済むのだ?この田舎者め」 それを言ってはいけなかった。 「ああ?!死にてんきゃあおめは!」 腕を捲って包丁を掴んだ。 「料理器具で街を破壊するというのも聞いている。料理人失格だ。私はただのプオタだ。新日全日は勿論、AWAやWWE等のアメリカンプロレスまで、大抵網羅している。まあ引きこもっていたのでな。深夜にぼんやりテレビを見ていたのだ。大体、たまに出てくるプロレスネタで不沈艦だの何だの言っていたな?それが古いと言うのだ」 「て、てめ!ハンセンが古いって言うんきゃあ?!」 ヘスティアがとっていたスタイルは、マジのテリー・ファンクのそれで、テリーはハンセンに複雑な思いを抱いていた。 「83年に引退したのに、あっさり84年に復帰してハンセンが激怒した?それが古いと言うのだ。全日がジャンボ鶴田で止まっている貴様は、本物の時代錯誤だ。大体テリー・ファンクとテリーマンは全くの別物だ!頭を押す?!カーフブランディングで超人の宇宙船に突っ込むとか最早無茶苦茶だぞ貴様!貴様にプオタを名乗る資格はない!」 異次元の長台詞があった。 所詮は群馬弁喋る田舎者だと、その目は語っていた。 ヘスティアが言葉に詰まっていると、魔王が畳み掛けた。 携帯を見せて、魔王が言った。 「貴様はおぼこで、キッチンの守り神だ。アカデミーを留年し続けているのも聞いている。貴様に勝利したのは私ではない。あの馬鹿のズルい裏技を見よ。ババア召喚」 現れたババアを見て、ヘスティアは今度こそ固まっていた。 「やれやれ、面倒臭い魔王さんだねホントに」 「墓掘りさんて呼べと言っただろう貴様は!」 「お待ち。あら?あんた変わんないねティア。ティア・アーネゼース、だったっけ?」 「あんた。エレクトーラ・アガメムノン?」 「何で食堂のババアの名前がそれなのだ?」 ようやく食堂のババアの名前が判明した。
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