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ミラリン
ミラリンというブティックは、元々は中央大陸の最先端をひた走る、流行の最先端の高級ブティックだった。
元はダブリンと呼ばれていた。
かつてユノは、このブティックのショーウィンドーを眺めていたこともあった。
ダブリン伯爵は王家に連なる王族で、レディー・パピヨンの背後にいた人物でもあったし、ユノと縁浅からぬ人物であったが、ユノ自身それを知らなかった。
ダブリンで、ユノがレディー・パピヨンに送られたワンピースや靴、リボンに至るまで、ユノは大切に取っておいた。
結果、当時の王女に刃を向け、処刑されたダブリンは、ショップの名をミラリンと変え、甦っていた。
若い娘でごった返す店の扉を開けると、それは恭しい挨拶で迎えられた。
「まあ奥様!毎度ご贔屓を賜り、スタッフ一同感謝に耐えない次第でございます!」
ふくよかなおばさんというた風情の支配人は、コメツキバッタのようにユノを扱った。
「こんにちは。支配人さん。今日は友達を連れてきました」
「どーも」
ダブリンからミラリンになって、客層に変化があったようで。
例えば、ダブリンではとにかく最高級品しか扱っていなかったが、オーナーであるミラージュ女王は、取り立ててその路線を好まなかった。
確かに高級品は高級品なのだがオーナーが求める服というのは。
「先日お召しになったキャミソールと下着は、いかがでしたでしょうか?」
「はい。先生凄かったです。それで、気が付いたらパンツがなくなってました。先生用にピチッとしたスベスベの奴を1ダースお願いします」
「そうですの。お任せください。当店は、偉大なる救星のヤリーー王陛下が好むもの一式を常にご用意しております。柄はいつものくまさんでよろしゅうございますか?」
「はい。お願いします。他に、今日は服も探そうかと思っています」
要するに、この店は、ジョナサンという救星のどスケベをその気にさせる店といってよかった。
「下着でしたら、1ダースでよろしゅうございますか?王妃殿下、女王陛下を始めとしたご愛妾様方は、常に下着をお求めでございますよ?特に王妃殿下は3ダースを毎月定期的に」
どこに出しても恥ずかしい、最低のどスケベ下着ドロが身近にいたという。
「イシノモリの奥様のお友達の方ですね?そちら、お預かりしましょうか?」
持ってたフライパンを背中に隠してティアはがなった。
「あたしのフライパンに触れるなや!頭押っぺすぞ!」
「やめてくださいティア。3ダースパンツが来る用意が出来ました。ついでにおっぱいが滲むのでブラジャーも。服はどうしましょう?こんなのはどうでしょうか?」
ユノが示したのは、ハイレグなバニーちゃんのコスプレ衣装だった。
「でもあんた、おっぱいあたし並になかんべや。それはおっぱいデカくなきゃいかんが?まあ、あたしならこれかな?キッチンなら任せや」
示されたそれを手に取り、ユノは声を上げた。
「ふおおおおおう!こんなものが」
「あら奥様?それは高級シルクのエプロンドレスですわ」
「着心地はどうでしょうか?肌触りは?」
「それはもうシルクですから。しかし奥様?それをどうーーあ。まさか、それは、王妃殿下と同じ?」
支配人のおばさんは、ひまわりの見た見地に、新たなエロファッションの地平を見た。
「放課後が楽しみです」
覚え始めの味でうなじを赤く染めたひまわりママは、ワクワクして言った。
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