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マンションのゴミステーションにすでに出されていたゴミ袋を見て、今日が可燃ごみの日だということを思い出した。家にいる時間がほとんどないせいで部屋の中は常に綺麗だが、ごみというものは少なからずも出てしまうものである。
三神峯は早くベッドに入りたい気持ちを抑えて、家に入るなり早々に家中のごみをまとめた。出社のついでに出そうとゴミ袋を玄関に置いて、三神峯はようやく脱衣所に向かった。
(体重、何キロ落ちたんだっけ。そう言えば最近は水と薬しか飲んでない気がする)
鏡に映る自分を眺めて、三神峯は華奢な体に嫌気が差した。だが、御堂はこんな体でも綺麗だと言ってくれた。自分が思ってる以上に、御堂の存在は三神峯の中で大きいものになっている。
(和樹、今頃何してるかなあ……。まだ、寝てるかな)
御堂のことを思い浮かべればたちまち色のなかった頬が染まる。御堂の逞しい腕に、後ろから抱きしめられたい。大きな手で優しく触れられて、愛でるように撫でられたい。
――燻る欲望は、涙に変わる。
(俺が全然連絡しなかったくせに。こういうときばっか和樹に頼るの、本当に自分勝手で嫌になる)
シャワーを終えてベッドに潜る頃には、外は薄明るくなりはじめていた。
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