ep.8

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 早く職場に戻らなければ。これ以上研究を、仕事を、滞らせるわけにはいかない。腹部にかけられたタオルケットを掴んで、こみ上げる吐き気と腹痛に必死に耐えた。点滴を取り換える際に様子を見に来た主治医が少し薬強いのにしようか、と言ったのを、ぼんやりとする意識の中で聞いていた。 「……証拠は十分にある。俺ができることは――……」  主治医が何か呟いていたが、その言葉に反応することはできず、ただただ主治医が腹部をさする手に身を委ねることしかできなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 次回、御堂が出ます!(ようやく)
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