ep.10 *

5/24
前へ
/192ページ
次へ
※この先性描写があります(〜168P)。閲覧は自己責任でお願いします。  体調が思わしくない三神峯に無理をさせるわけにはいかなかった。崩れかけた理性を必死につなぎとめて、三神峯の額に小さくキスを落とした。 「ごめん、やっぱり無理はさせられないよ。ごめんね」 「……」 「お水、さっき買ってたから飲もうか」  そう言って御堂はテーブルに置いていたペットボトルに手を伸ばす。自分からキスを仕掛けておきながら格好がつかないが、三神峯が甘い声をこぼすたび、先ほどの苦しそうな彼の姿が頭に過ってこれ以上触れることができなかった。  するとくい、と服を引っ張られた。 「和樹、お願い、やめないで……」 「っ、でも、まだ顔色だってよくないからやっぱりだめだよ」 「大丈夫だから、お願い、俺を和樹でいっぱいにして……?」  赤い唇が物足りなさげに、不安げに震える。行為そのものを求めていると言うよりは、御堂に縋りたいという表情だ。男として恋人として、そんなかわいらしく切ない誘いを無下にすることはできない。 「……優しくするから、体辛かったら言って」 「ん……」  御堂は三神峯の上に覆い被り、首筋に吸い付いた。強く吸うたびにぴくりと反応させる彼が愛しくて、何度も首筋に痕をつける。熱い吐息が首にかかって静かに理性を崩していくかのようだ。三神峯を安心させるように頭を撫でながら、服の中に手を忍び込ませて滑らかな肌をなぞった。 「ん、あ……っん」 「ン、辛くない?」 「だいじょう、ぶ……んっ、やあ……」
/192ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1510人が本棚に入れています
本棚に追加