ep.10 *

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 一気に奥まで突いてしまいたい欲を抑えて持ち合わせていたスキンを手早く装着し、秘孔の入口に自身をあてがった。 「いい子だから、力抜いててね」 「――っ、ぅあ、あ……っ」  指よりも遥かに大きい質量が入ってくることに驚いたのか、中で肉壁が強く絡みついてくる。気を抜けば搾り取られそうなほどだ。 「は……っ、景のナカ、熱い」 「ひっ、あ、あぁっ」  さすがに体をこわばらせる三神峯を安心させるように頭を撫で、何度もキスを落とした。ぐちゅり、結合部からアロマオイルとも御堂の先走りともつかない粘質的な音が耳に響く。ベルガモットの香りがまるで媚薬のようだった。 「ン、全部入った。苦しくない?」 「ぁ、はい、った……?」 「うん。ちゃんと入ったよ」  痛みからか苦しさからか、三神峯の瞳には生理的な涙が滲んでいた。その涙を唇で拭えば、三神峯はふわりと目元を緩めて御堂に抱きついた。 「和樹、俺たち、ひとつになれた……?」 「……うん、大丈夫、ちゃんとひとつになれた」 「ん、は……っ、やっと、やっとひとつになれたね……」  うっとりしたようような表情で、嬉しそうにそう言った。そんな愛しいことを言わないでほしい。三神峯の言葉に思わず質量が増した自身に、彼は再度甘い声を漏らす。三神峯の腰がゆるりと動いたのを、御堂は見逃さなかった。 「ん、動くよ」 「あ……っ、っ、あん! あっ!」  肉壁がもっと欲しいと言わんばかりに絡みついて、奥へと誘い込んでくる。これまで抑えていた理性が全て崩れるようで、動かす腰が止まらなかった。 「ひぁっ! あっ、ああん!」
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