1491人が本棚に入れています
本棚に追加
/192ページ
「……俺、今人生で一番幸せだと思う」
「…………」
「ねえ、キスしていい?」
まだ色が戻らない唇を指でなぞりながら御堂は尋ねた。頬を染めて見つめてくる三神峯が堪らなく愛しい。小さく頷いたと同時に、髪、額、目元、頬、鼻と何度も触れるだけのキスを落とした。
「ん、和樹、くすぐったい……」
「ん……」
「っ……」
唇にキスを落とすと、ぴくり、と肩を跳ねさせた。反応するたびに固く結んでしまう唇がまた可愛い。
角度を変えて何度もキスをするうちに、御堂の唇に吸いついてくるようになってくる。御堂はキスを止め、耳元で低く囁いた。
「景、口開けて」
「ふっ……」
「そう、上手」
「ん、ふ……あ」
舌を絡めて歯列をなぞる。飲み込めなかった唾液が三神峯の小さな口の端からこぼれて、彼の顔を汚したのがひどく扇情的だった。
「あ、ん……っ、かずき」
「ん、もう少し」
御堂の首に手を回した三神峯が限界だと訴えてきたが、まだこの甘美な口内を堪能したかった。
「あう、和樹……」
最後に唇を食んで解放すれば、三神峯は肩で呼吸をくり返しながら御堂を見つめてくる。
その瞳は、まるで――。
「……もっとしたい?」
「……うん」
「いい子だね、景……」
御堂はもう一度、三神峯の唇に噛みついた。
最初のコメントを投稿しよう!