ep.6 *

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「……俺、今人生で一番幸せだと思う」 「…………」 「ねえ、キスしていい?」  まだ色が戻らない唇を指でなぞりながら御堂は尋ねた。頬を染めて見つめてくる三神峯が堪らなく愛しい。小さく頷いたと同時に、髪、額、目元、頬、鼻と何度も触れるだけのキスを落とした。 「ん、和樹、くすぐったい……」 「ん……」 「っ……」  唇にキスを落とすと、ぴくり、と肩を跳ねさせた。反応するたびに固く結んでしまう唇がまた可愛い。  角度を変えて何度もキスをするうちに、御堂の唇に吸いついてくるようになってくる。御堂はキスを止め、耳元で低く囁いた。 「景、口開けて」 「ふっ……」 「そう、上手」 「ん、ふ……あ」  舌を絡めて歯列をなぞる。飲み込めなかった唾液が三神峯の小さな口の端からこぼれて、彼の顔を汚したのがひどく扇情的だった。 「あ、ん……っ、かずき」 「ん、もう少し」  御堂の首に手を回した三神峯が限界だと訴えてきたが、まだこの甘美な口内を堪能したかった。 「あう、和樹……」  最後に唇を食んで解放すれば、三神峯は肩で呼吸をくり返しながら御堂を見つめてくる。  その瞳は、まるで――。 「……もっとしたい?」 「……うん」 「いい子だね、景……」  御堂はもう一度、三神峯の唇に噛みついた。
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