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このホクロがもう少しだけ右にあったら俺の人生は変わっていただろう。
彼女がいて、イケてる高校生ライフを送っただろう。
だがこの鼻の右下にあるホクロのせいで俺の人生は、かわいそうなものになってしまった。こいつのせいで俺はからかわれた。
そして、一番最大なのが、みんながこのホクロを見て話しをすることだ。
俺はわかってるからな。お前らの視線が。
見てないようにしてるんだろうけど、ほらっ!今見ただろ!バレバレなんだよ。その視線のせいで俺は人と話すのが嫌いだ。
だから俺は一大決心をした。大学を卒業して社会人になる前に俺はこのホクロを消す。
そして、俺はイケてる人になる。このホクロがなかったら俺は、俺はイケてるんだ。
そして今、俺は寝れない。明日ホクロとおさらばするからだ。このホクロがあったせいで、俺の学生生活は思い出が・・・悪い思い出ばかりじゃねーか!
よしよし明日だ明日だ。
眠りについた頃、そこにはある物体が目の前に立ちはだかっていた。
「オイ、お前。なんでホクロを消すんだよ!?ずっと一緒じゃねえか。そりゃねえよ。これからも一緒に生きようぜ!?なぁそうだろ?」
「お前は・・・ホクロか!?お前のせいで、俺の人生めちゃめちゃだったよ。消される前に最後の悪あがきかよ!?」
「違うぞ!俺のこのホクロでお前はいろんな思い出があるんじゃねーか。これをお前に見させてやる。よく見るんだぞ」
鏡の前には高校生の俺がいた。ホクロのない俺。
学校に行くと俺は幽霊みたいだった。誰も俺に話しかけてこない。
「ホクロがあった時はあんなにからかわれていたのに、それが俺に話しかけてくる奴は誰もいない。
またホクロが現れる。
「どうだった!?これが俺の力だ。お前はホクロが、俺がなかったら人生変わると思っているかもしれないけど、そもそもこの俺がなかったら、お前の人生は何もないんだぞ!どうする!?それでも俺を消すのか?これからの人生はもっともっと長いんだぞ!」
「うるせーうるせー!あんなの嘘だ!お前なんかなかったら・・・お前なんかなかったら。俺の人生は・・・」
数ヶ月後、新卒として入社した。
「早くこっち来いよ。新人の集まり遅れるぞ」
「いやー、お前がいてよかったよ。なんか友達になれそうだ」
そこには同期で同じ鼻の下にホクロがある奴がいた。俺は右でこいつは左。兄弟かよ!?って言われる。これからもこのホクロのおかげで、いろんなことがありそうだなー。
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