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「冬の間、恵那を送ってくれてありがとう、これは気持ちだから」 満面の笑みで差し出された紙袋を「ありがとうございました」といって受けとる。なんだろうお菓子?なかなり厚みがありズシリと重い。 「暇な時に読んでね」 「それ、日本のミステリーとマンガのペーパーバック」 金沢が口を挟む。 「ペーパーバック?」 「表紙が紙の本のこと、いい忘れたけどそれ洋書だからね、あと挫折しないように日本語の原本も入れておいたから、これで英語を勉強してよ、ミッキーあんまり英語が得意じゃないからさ」 気を遣ってもらって嬉しいが、あからさまに指摘されると気に障る。
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