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「ごめんね輝貴君、あの子ワガママで」
ママは腕組みすると首だけ振り返り家を一瞥し眉を八の字に作る。困惑しているというより、諦めている雰囲気。
「気にしないで下さい、色々、飽きないんで」
「輝貴みたいに優しく、素直だったらいいのに」
俺は作り笑いを浮かべるしかない、あまり社交的ではなく下手に出て様子を伺ってるだけだ。
「態度は私達の教育に問題があるとして、最近あの子、不良みたいに猫背で歩くのよ、今でも友達が少ないのに怖がって誰も寄ってこなくなっちゃいそうで」
「猫背って昔からじゃないんですか、俺、そう聞きましたけど」
「そんな訳ないじゃない、確か去年の紅葉が映えるような頃だったかな?、輝貴君もいってやってよちゃんと歩けって」
直感が電流のように体中を廻る。
「そうなんですか。あと木戸先生って知ってます?予備校で有名なんですけど」
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