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勧誘の殺し文句か、でも妙に説得力がある。 「そうなると、その予備校の一人勝ちになりそうだな」 「順調にいけばそうなるが、性急に拡大路線を押し進めた影響で、雑務とか裏方の人材が不足してて、若い講師が雑務とかテストの試験官をやってたりしてる、でもそれは時間の問題で解決するよ給料もいいらしいから」 「わかった、それでいつ行けばいいんだ?」 「マジで?いいの?ありがとな」 深沢はハンドルから片手を離し拳を作り胸元でガッツポーズ、再びキャラにない身振り。 「早速だけど今日が締め切りなんだ、もしできるなら今から」 「えっ、ちょっと待って、もっと前から言ってくれよ」 「試験期間中だったからさ、あんま変な事いって動揺させちゃ悪いと思って」 慎重なのか気配りなのか、ともかく気が咎めていたのは確かなようだ、俺をダシに使うわけで、でももう少し気を許してくれてもいいのに。
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