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日差しを受けている制服の背中が既に熱を帯びている。あり得ない、心の中で叫び、教室で巻いていたマフラーを首から剥ぎ取る。
12月と思えない暖かさというよりそれを通り越して暑い、手袋も要らない。
防寒具をバッグに入れて前を向くと、前方からチャリに乗り下校する女子の一群、みんな隙間なく首元にマフラーをがっちり結び、思い思いのコーディネート、華やかでかわいさが2割増しなのだがやせ我慢に見えてしまう。
女のひとは冷え性が多いというけれど。
タッタッタッ、背後の雑踏から一つアスファルトをローファが叩く乾いた響き。
「危ねー、探したぞ国村」
息を切らしてクラスメイトの深沢が隣に来ると歩みを合わせる。
珍しい、どちらかというと冷静沈着のキャラで通っているのに。
走ってまでして何の用だろう。
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