第三章『無限キャベツ』

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第三章『無限キャベツ』

「はいはい、どんどん食べてね」 茶碗におかわりをついでおばちゃんが持ってきてくれた。 そう、この店はご飯、キャベツ、さらには味噌汁までおかわりし放題なのである。 寺門のような人達からしたら神。 もちろん寺門伝いでマサもこの店の常連である。 「おばちゃん、ご飯と味噌汁おかわり」 そんな説明してたらまたも寺門の声が。 ちなみにこれが休憩時間めいいっぱい延々と続きます。 上島が完食するまでに寺門はご飯・味噌汁・キャベツを各10回ずつほどおかわりするのである。 そんなにキャベツ食えるか!と言いたいところですが、この店の焼肉定食のタレが絶品な為、ついつい食が進んでしまう。 満副食堂の継ぎ足しのタレ、一度食してみたいものです。 「ヤベッ、もうこんな時間だ。寺門、いいかげんにしろ。戻るぞ」 「え~、もう少しだけ。あと一回おかわりさせてくれよ」 「バカ。夕飯抜きになってもいいのかよ。我慢しろ」 「頼むよ、すぐ食うから。なっ、もう少しだけだから。おばちゃん、キャベツおかわり」 「ったく~、ラストだからな。遅れても知らねぇぞ」 上島は諦めたように「はぁ~」とため息を一つついた。 「よし、ごっそさん。上島帰るぞ」 「ぬぇっ!?」 あまりの早食いに驚きを隠せない上島。 「おばちゃん、お代置いとくね。また来るから」 そんな上島を置いて爪楊枝でシーシーしながら店を出る寺門。 「ちょ、待てよ」 上島もお代を置くと寺門の後を追って店を出た。 「急げ、上島。夕飯食えなくなっちまう」 「お前あれだけ食ってよく走れるな」 二人で食後の運動をしながら帰ることに。 しかし食べてすぐは辛い。 遅れがちになる上島。 「上島、頼むから急いでくれ。もう少しだけでいいから」 それを急かす寺門。 誰のせいでこうなったと言いたくても苦しくて言えない上島。 そんな上島を必死にサポートする寺門。 端から見たら微笑ましいシーンではあるが。 はたして寺門達が無事に休憩時間内に戻れたのかはご想像にお任せします。 〈おわり〉
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