第一章『お昼休憩』

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第一章『お昼休憩』

「よ~し、時間だ。あ~、腹減った。上島、早く飯行こうぜ」 寺門が伸びをしながら言った。 「そんな焦んなって。いつもの所か?」 「あぁ、もちろん」 いつもの所とは最近寺門が発見してハマっているとある食堂のことだ。 寺門は驚くほどテキパキと机周りを片付けると早くも行こうとする。 「ちょっと待てって」 慌てて上島が追おうとするが、寺門はさっさと出て行ってしまった。 「組長、兄貴お先に休憩いただきやす」 「おう、あんまり食べ過ぎんなって寺門に伝えとけ」 組長と呼ばれた市後が笑いながら注意事項を述べた。 「1分でも遅れたら晩飯抜きな」 その横から肥後も追加した。 「へい、よ~く伝えときやす」 上島は頷くと寺門の後を追って行った。 「もう少しだけでも仕事にあの熱意を向けてくれたらいいんですけどね」 「まぁ、あいつにとっては食事が仕事みたいなもんだから仕方ないさ」 「てか、間に合うと思います?」 「あいつのことだ、絶対間に合わせるだろ」 顔を合わせて笑い合う市後と肥後であった。
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