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「おばあちゃんのところへ行くわよ!」  ママがボクの元へくるなり言ったので、僕は縁側でくつに足を突っ込んだ。 「ここだれもいなくなっちゃうよ?」 「鍵どこかしら?」  ママはそう言って畳みの上に上がりこみ、タンスの一番上の引き出しを引いた。  中を確認したが鍵は無かったようなので、引き出しを押してひとつしたの引き出しを引いた。  また無かったので下の引き出しと、繰り返していったがそのタンスに鍵は無かったようだ。 「ないわね、まぁ、仕方ないか」  ママは畳の上にあった黄色い広告を裏返してテーブルの上に置き、丸い缶に立てられていたマジックを手に取った。  キャップを取って、広告の裏に休業中と大きく書くと、テーブルの上に会ったセロテープをビーッと引っぱって切った。 「行くよ」  ママはセロテープと広告を手に取り、靴に足を突っ込んでお店の外へ向かったのでぼくも後ろをついていった。  お店の外に出ると、ママは引き戸を左右からあわせて閉じた。そして、先程作成した休業中の紙をセロテープで貼り付け、のこったセロテープを扉の継ぎ目にあわせて貼り付けた。 「よし、行こう」  ぼくはセロテープで止められた引き戸の合わせ目を見ながら、お店の前にとめてあった家の車に乗った。
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