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「ギャーーーーーーーーーーーーッ! ワーーーーーッ! ワーーーーーーーッ! ギャーーーーーーッ!」  ぼくの頬を大粒の涙が伝っていき、大声を上げて泣いた。きっと、これが屈辱ってヤツだ、クソ。そう思った。 「泣かなくたっていいじゃないのよぉ、くふっ」 「ケッ、ケン坊ッ、フッ、フヒッ! フヒッ!」  このふたりは慰める振りをしてぼくをいたぶって楽しんでるんだ。ぼくは一生懸命お姉さんのことを考えていたというのに。  おばあちゃんはじぶんのたのしみのためにぼくを利用したんだ。そう理解すると余計に悲しくなった。 「ギャーーーーーーーーーーーーッ! ウーーーッ! ウーーーッ! ギャーーーーーーッ!」  ぼくはゴリラのようにわめいた。 「ごめん、ごめん、悪かったよぉ」  ママがボクの前に屈んで頭を撫でた。いたぶったり慰めたり、ママはきっと悪魔の手先だと思った。こういう女を小悪魔というらしい、ママが見ていたテレビで見た。 「ケン坊、男はそうやって女にたたかれて強くなっていくんやでぇ、ふひっ! ふふひっ!」 「う~~~……う~~~……」  ぼくはおばあちゃんを睨みつけてやったが、おばあちゃんはぼくをあざ笑うかのような目つきで見ている。 「お母さん、いつ帰れるの?」 「ああ、いつでも帰って良いみたいやでぇ、ただの興奮のし過ぎで失神しただけだったみたいだから、ケン坊のせいでっ! ふひっ! 体は全然元気と先生が言うてたわ、帰るンなら一緒に連れてっておくれよぉ」 「そう、じゃ、いっしょに帰ろっか」 「ああ、たのむわ、いま準備する」  おばあちゃんはそう言うとベッドからそそくさと降りて靴を履いた。 「じゃ、行こか」 「なんにも持ってきてないの?」 「ああ、知らんうちに担ぎ込まれたからね。な、ケン坊」  ぼくは涙をぬぐいながら黙って二度頷いた。  ぼくたちは病室を出て受付けで手続きして病院を出た。  駐車場に止めてあった車に向かっていると、おばあちゃんが手をすり合わせた。 「う~、さむっ」  車につくと、来た時のようにぼくはママの隣の前の席、おばあちゃんは後ろの席に座った。ママが車のキーをひねった。 「ねぇ、帰りにケーキ屋のお姉さんの所へいってケーキ買って帰ろうか? 久しぶりに」
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