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 ぼくは学校に行って、休み時間になるとさっそく聞き込み捜査を開始した。ぼくはまず左となりの席のアオシマくんに聞いてみる事にした。 「ねぇ、駅前のケーキ屋のお姉さん知ってる?」 「知らない」  これはダメそうだと思いぼくは、右隣のヤマダさんに聞いた。 「駅前のケーキ屋のお姉さん知ってる?」 「知らない」  おかしいな、駅前のケーキ屋さんいつも混んでて人気なはずなのに。  ぼくはこの調査は難航するかも知れないと思ったが、お姉さんのさびしそうな顔を思い出すと闘志がわいてきた。  その後も、まわりのクラスメートに当ってみたがめぼしい情報は得られなかった。  しかし、ぼくはあきらめずに、休み時間ごとにクラスメートすべてに当ってみた所、学校が終わるまでに6人の重要参考人を確保する事が出来た。  同時にケーヤクについても探りを入れてみたが、誰一人口を割らなかった。  本当に知らないのか、非協力的なのかはわからなかった。  だがこの六名の重要参考人を慎重に取り調べながら捜査を行っていかなければならないのだ。焦りは禁物だ。  ママよりはおばあちゃんの方が当てになりそうなので、おばあちゃんに相談しようと思い学校を後にした。
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