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 ぼくは夕ご飯を食べた後、さっそくおばあちゃんから仕入れた情報を確認してみたくなった。パパも取調べでワイロを使っているか気になったのだ。  パパはご飯を食べ終わって新聞を読んでいる。 「パパはワイロ使ってる?」 「急に何を聞くんだ……パパは賄賂なんて使ったら逮捕されてしまうよ……」  パパが新聞を畳んで困った顔を見せた。ワイロとはいけないことなのだろうか。 「いや、おばあちゃんがね、人から情報収集をするときはワイロを使うといいと教わったんだ」 「おかあさんさんが……う~ん……どうしてそんな話になったんだい?」 「それはちょっと言えないね、情報ローエイってヤツさ」 「なにか調べてるのかい?」 「ふふふ、それは秘密だからパパにも言えない」 「この子ったら、駅前のケーキ屋のお姉さんが契約結婚するって噂真に受けちゃって調べてるのよぉ」 「あっ」  横でテレビを見ていたママがパパに言ってしまった。テレビに夢中になっているかと思ったのに。  それにしても、どうして言ってはいけないという事がわからないのだろうか。もう少し、子供に気を使って欲しい。 「契約結婚?」 「風の噂よぉ、ママ友と電話してたらそんな話がでてきてさ、この子が聞いて真に受けたってわけ」 「ママ、火のないところに煙は立たないと言うよ」 「おっ、難しい言葉知ってるじゃないか」 「それくらい、ぼくだって聞いたことあるさ。ママ、パパに余計なこと言っちゃダメじゃないか」 「あっ、そうだね、お姉さん助けて、いいところ見せるんだもんね」  ママはちょっとあたまが悪いのではないだろうか。 「そうか、契約で困っているお姉さんを助けたいって訳だね。いい事じゃないか」  やっぱりパパはぼくの事をわかってくれる。ママとは大違いだ。 「助けたいっていったって、人のうちのことじゃない、それにいい契約かもしれないしぃ」  これだ。そんなわけないじゃないか。あのお姉さんのさびしそうな顔を見なかったのだろうか。ぼくには一目でわかった。 「そうだねぇ、もし、ちゃんとした契約だったら迷惑かもしれないなぁ」 「それをいま調べてる所なんだよ」 「へー、どうやって調べてるのよ?」  ママが興味深そうに聞いてきた。 「クラスのみんなに聞いた。ケーキ屋のお姉さんの事を知っている重要参考人が6人いるんだ」 「ほぉ、なんだか本格的にやってるんだね。で、重要参考人さんからめぼしい情報は得られたのかい?」 「いや、それがみんなよく知らないみたいで、モクヒしているんだ」 「なるほど、だから賄賂の事を聞いたんだね」 「賄賂ったって、お金もってないじゃない」  ぼくはおばあちゃんからお菓子をドッサリもらってきた事を言ってやろうかと思ったが、先程パパが逮捕されると言っていたので秘密にしておいた方がいいだろうと思った。 「まぁ、聞いてみただけだよ。あしたも地道に調査を続ける」 「そうだね、捜査は熱意と根気だ。がんばるんだよ」 「うん」
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