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「千夏の性格的にそうだよね。早くどっちかはっきりさせたいんだよね?」
完全に図星だった。早く決めたい。でも焦れば焦るほど悩みは大きくなる一方だった。
「もう時間の流れを待つしかないよ。中途半端な状態が嫌なのはすごくわかる。でも焦って出した答えは本当の答えじゃない。世の中に全か無かしかないのなら、そもそもこの世界に曖昧という言葉は存在しない」
「お姉ちゃん……」
「待つことも最初はしんどいだろうけど、考えて悩んでもしんどいし本当の答えが出ないのなら、何もしないで待っていた方がいいよ。絶対に時間が経てば自然と答えは出るのだから、どうせなら何もしないようにすればいいと思わない?」
そう言って姉は微笑んだ。確かに待つことは嫌いだった。どっちつかずで中途半端だから。けど、『時間が経てば自然と答えは出る』という姉の言葉が心に木霊して離れない。
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