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そうして、どれぐらいたっただろう?
急に窓の外から、ドシン、ドシン、と大きな足音が響いてきた。
僕はおふとんから飛び出し、足音のする窓へ走った。
なんということだ。
最初は山が動いているのかと思った。
違った。
みんなが寝静まってシーンとした街の中を、月にまで鼻が届きそうなほどの大きな象が、僕の家に向かって歩いていた。
器用に家や車を避けながら、時々鼻をブルンブルンと振って、大きな象が、ドシン、ドシン、と歩いていた。
「なんて大きな象だ」
僕はしばらくボーッと象を見つめていた。
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