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サンタさんが手にしていたのは、小さな象だった。
「え?」
僕はわけがわからなかった。
「はい。小さな象だよ。うまく育てると私の乗っているこの象みたいに大きくなるよ」
サンタさんは優しくほほえんだ。
パオーン! サンタさんの象は鼻を高々と上げて大きな声で鳴いた。
あまりにも象の鳴き声が大きくて、僕はもらった小さな象が大きくなってこんなふうに鳴いたら近所迷惑だなと思った。
僕はサンタさんから小さな象をもらわないで、おふとんを頭からかぶって耳をふさいだ。
「サンタさんの大きな象は鳴き声もなんて大きいんだろう。これじゃあサンタさんをつかまえるどころじゃないよ」
僕はおふとんの中でぎゅーと丸くなった。
そうしてどれぐらいたったのか、時計の針がカチッと動いた気がして、僕はおふとんをガバッとはねのけた。
「はッ!?」
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