あとのまつり

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夜空を彩る花火のように、深い闇の中でしかその鮮やかさに気づけないことってある。 もう少しだけ気づくのが早かったら、わたしたちは今でも笑いあえていたのかな。 あの花火大会の日から、ちょうど10年が経った。 少しは大人になったはずのわたしは、夜空を見上げ、そっとあの夏に思いを馳せる。 頭上には、彼女と過ごした日々が、儚くも色鮮やかに咲いている。
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