あの日、君に心を奪われてから

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あの日、君に心を奪われてから

 実は、彼女のことを好きになったのは、ほぼ一目惚れに近い。  あれは、ひな祭りのイベントの日。  家の近くの桜川神社で、開催されていた。  その時に彼女と初めて出会ったのだ。  いや、正確には、が正しい。  お雛様の格好をした彼女を見て、時が止まったかのように目が離せなくなった。  境内には、たくさんのハナモモが咲き乱れていた。その中をほんのりと薄桃色に頬を染めて、まるで天女のように舞う彼女。  あの瞬間、僕は恋に落ちた――――。
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