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ただ、もう一度君に会いたくて
『僕は、茜音の傍にずっといるよ』
あなたが初めて、私についた嘘。
今でも鮮明に覚えている。
誰かに好意を寄せられる度に、
あなたの言葉を思い出してしまうのだ。
出会ってから、あなたは一度も
嘘をついたことはなかった。
――――なのに、どうしてあの時、
あんな嘘をついたのか。
最期まで格好良く逝くなんて、ずるい。
今日は、あなたの命日。
私は、今年もまたあの花と供に
あなたの元へ会いに行く。
いつまでも自分の心は変わらないことを
示すために――――。
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