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それからは、怒涛のような1日だった。料理を並べ終えたタイミングで、親戚や祖父の友人などが続々と到着し、ひたらすら会社の接待のように振る舞っていた。
祖父が賑やかなのが好きな人だったため、一回忌の時とは異なり、今回は家で全てを執り行った。そのため、いつもより人の出入りも激しい。
一方、悠誠は澪依の彼氏ということもあり、親戚にあれやこれやと質問攻めにあっていた。女性陣からは、黄色い声も時折聞こえた。会社でも見慣れた光景だったが、澪依はいつもより何だかモヤモヤとした気持ちになる。
やがて、無事に親族たちが帰宅し、一日を終えた。
「ふぅ、流石に疲れたわね」
「お疲れ様。母さん達、ほとんど食べれてなかっただろ? 何か作ろうか?」
「お母さんはいいわ。お父さんもだいぶ飲んだみたいだし」
「ああ。今日はもう寝る」
父が眠そうにまぶたを擦る。その姿はまるで小さい子供のようで、昔から変わらない。
「そうね。片付けは、明日やりましょう。お母さんたちは、先にお風呂入って休むわ。澪依たちは泊まっていくでしょう?」
「うん、そうする」
「お布団、澪依の部屋に出してあるからね」
「ありがとう」
「悠誠くんも今日はありがとうね。とても助かったわ。色々とお話したかったけど、バタバタでごめんなさいね」
「いえ。お祖父様の人柄や玉木家の方のことを沢山の方から教えていただいて、貴重な時間でした」
悠誠の言葉に、母は可笑しそうに笑った。
「本当にあなたは、不思議な人ね」
「そうでしょうか?」
「また明日、ゆっくりお話しましょう。それじゃあ、おやすみ」
「おやすみー」
眠そうにしている父を急かしながら、母は台所を後にした。一階に両親の寝室とお風呂場があり、二人が仲良くお風呂に入る物音を聞きながら、悠依が大きく伸びをする。
「あー、疲れたー。姉さんたちは、何か食べない?」
「余ってるやつあるでしょ。それ、食べようかな」
「あ、いいね! ついでに片付けもしとくか」
「そうね。明日、お母さんたちもしんどいだろうし」
「よし、最後にもうひと踏ん張りしますか! 悠誠くんも手伝ってくれる?」
「もちろん」
すぐに三人で分担しながら、大広間の後片付けを始めた。
「あ、これ美味そうだったけど、食べれなかったやつ!」
「カンパチ?」
「そう、ここの寿司は上手いんだよな。ちょうど三切れ残ってるし、二人も食べてみなよ」
悠依はテーブルの上に残っている食材を摘みながら、片付けも同時に進めていく。
澪依も勧められたカンパチを口に含みつつ、手を動かす。
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