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ある日、娘の影響をもろに受けた母がすっくと立ち上がり……そして走り出した。
──
と、これは物書き初心者の私が、母の新たなるチャレンジをどうにか上手く言おうと考えた末の比喩である。
さて、母の新たなるチャレンジとは。
それは突如として始まった六十歳過ぎての小説書きだ。いや、このことに関してこのように他人事のように私が語るのはいささか無責任だろう。母をその気にさせたのは冒頭で記したように他でもない、娘である私なのだから。
母の六十歳にして物書きデビューのきっかけは、一生に一度あるかないかの私が打ち放ったミラクルホームランだった。
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