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「…からすの……ひ、光アト…!私たち風の教の…みゃ、な、仲間になりなさいよ…!」
「え?」アトは、きょとんとした。
「に、二度も同じことを…い、い、言わすんじゃないわよ…!現代魔法の第一人者…光アト!私たちの仲間になって…ゆくゆくは…と、とと、ともだ……じゃなくて、弟子に…!」
そうやって薄笑いを浮かべて勧誘を始めたものだから、アトに群がり沸き立っていた人々は、しらけたように、あるいは居た堪れなくなってそそくさと解散してしまった。
アトは、ますます目を丸くしたばかりか、首を傾げもした。ただ、アトに魔法を教わろうと弟子入りを志願するものは少なくなかったから、今回も例に漏れず、にべもなく断ろうと思った。マコトは、いかにも気の小さそうなその女性を極力傷つけぬよう気遣いを働かせた。
「ごめんね。師匠は弟子をとらないんだ。だから、魔法は教えてあげられ……」
そこで女性は、マコトの顔を指差して「師匠!い、今あなた、確かに師匠って言った!」と押っ被せてきたものだから、マコトは驚いた。
「えっ、なんなの!?」
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