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「師匠よ!つまり、あなたは弟子なのよ!光アトの弟子のくせして、弟子をとらないなんて見え透いた嘘ついて、わ、私を…!」
「ち、違うよ!」マコトは、慌てふためいた。「ボクは弟子じゃなくて助手!あくまで師匠の助手なんだよ!」
「いいい、一緒よ!」
女性は癇癪を起こしたようにマコトの首を絞めつけにかかった。アトは、慌てて二人を引き剥がした。
「おい、マコトになにすんだよ!」
「こうなったら…」
女性は両手を天に掲げ、「風のありがたみを~!」と声高に唱えた。すると、何処からか強風が吹いてアトとマコトの身体を強く打ち付けた。アトは仰天した。
「なんだ、お前…!?今なにやった!?」
女性は、得意げになって一息にこう教えた。
「風のありがたみ…!私が祈りさえすれば、風の教を率いる導師様が…か、いつだって風を吹かしてくれるんだから…!そうよ、魔法を使えるのは、あ、あんただけじゃない…!導師様の魔法で、風のありがたみを、せ、世間に教えてやるんだから…!」
「魔法だって!?」
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