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頼れるお隣さん一家
家に戻った龍二は倒れた芳恵を発見すると、息せき切って加代子の家に駆け込んだ。
取り乱す龍二を見て泰造と絹子が飛び出してきた。加代子の父母である。
「よっちゃん! よっちゃん、しっかりしぃ!」
絹子が芳恵を抱き起こし、状態を確認する間に泰造が軽バンを庭につけた。
「龍二! お前、頭の方持て!」
意識のない芳恵を龍二が抱きかかえるようにして後部座席に乗りこむと、泰造は総合病院へと急いだ。
芳恵は、脳梗塞と診断された。
発見が早かったため一命はとりとめたが、しばらく入院することになった。
龍二は再び泰造の運転する車に揺られてひとまず帰路についた。
龍二を案じて家に加代子がやってきた。
「おばさんが退院するまで、ご飯作りに来るよ」
「ええって。飯くらい自分で作れる。何なら食ってくか?」
「これ龍二が作ったの? やばい、私より上手かも」
加代子は食卓に並ぶ卵焼きをつまむと目を丸くした。
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