幕間

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幕間

「ただいまです、零人」 「おかえりー」  零人は笑顔で虚を出迎える。 「学校はどお?」 「楽しいですよ。 友だちも出来ましたし、教師の皆様も優しいですし」 「そっか……」 「じゃあ、着替えたら直ぐに夕飯の仕度しますね」 「はーい。 んじゃ、俺も準備しないと」  そんないつもの会話を交わしながら、虚は2階の自室へと行く。  ドアが閉まった音がしてから、零人は洗面所へと駆け込む。 「うっ……げほ、が、」  途端に咳き込み、洗面所は赤く染まる。 「はあ、はあ」  零人は肩で息をしながら水で血を洗い流す。 「……そろそろ、か……」
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