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「普通の、生活……?」
虚は零人の言った言葉を反芻する。
「そ。
俺に復讐しにきたヤツが来たとき……あんとき、虚ちゃんが何の躊躇いもなく切りかかってるところを見てさ、俺、思ったんだ。
ああ、この子は、俺のせいで狂っちゃったんだなって」
「そんなこと無いです…!!
だって、私は零人に全てを救ってもらって、それで──」
「うん、それは分かってる。
分かってる、つもりだから。」
零人は虚の反論に直ぐ様言葉を挟む。
まるで、それ以上話させないかのように。
「確かに俺は、虚ちゃんをクソ親から助けたかもしれない。
でも、その後一緒に住んだのが、行けなかった。
──とっとと、児童相談所かどっかに連れていけば良かった。
俺の住む世界に……暗い暗い、こんな世界に引き込まなければ良かった。」
そう言う零人の顔は、心の底から後悔している顔だった。
その顔を見て、虚は
「──っそんな、決めつけないでください!!」
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