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「虚ちゃん……?
どうしたの、急に」
「そんな、私が零人と会ってしまった事が間違いだなんて言わないでください!
私は、確かに幸せでした!
私に零人の思いを、押し付けないで!!」
虚は自分の心の中に燻っていた思いを全て吐き出すかのような勢いで続ける。
「もしかしたら、間違いだったのかもしれないけど!
それでも、私は幸せでした!
あんな、ただのお人形だった私を助けてくれたのは、貴方でした!!
私は、貴方に救われたんです!!
それに、」
虚は目に涙を湛えて零人を見つめる。
「それに、この思いも、間違いだなんて、思いたくないんです……
零人を好きだという気持ちは、間違いなくここにあるんです……
これすらも、全て嘘だったなんて、間違いだったなんて、思いたくない……」
虚は手を顔に当て、涙をはらはらと流し始める。
その様子を見た零人は、虚を自分のもとへと抱き寄せた。
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