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 それから約1か月後。  虚の献身的な看病によって、奇跡的な復活を遂げるわけでもなく零人は永遠の眠りについた。  虚はその最期の瞬間まで零人の側に居続けた。  最期の瞬間は、菜々美も、リリーも、明宏も立ち会った。  もう、零人とも、彼らとも話はつけてある。 ……零人は、最後まで反対していたけれど。 「──さようなら、零人。 愛しています」  そして、虚は。 「──でも、零人は生き続けるんですよ? ……私の、一部となって」  包丁を振り上げる
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