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「……虚
終わったんですの?」
零人と『1つ』となり、地下室から出てきた虚をリリーたちは静かに迎える。
「……はい」
「これからは、どうするつもりなの?」
菜々美が虚に向けて尋ねる。
「そうですね。
取り敢えず、学校は辞めると思います。
……今は、ありのままの私で色んな場所を旅して、それから……。
それから、零人の後を継いでいきたいなと。
零人がやっていたように、私も……。」
虚はそこで言葉を切る。
「……取り敢えず、生活出来るだけのお金はあると思います。
あの家も売ったことで、多少のお金は入りましたし。
それからは、点々とバイトをしていこうかなと」
「その生活は、いつまでするつもりなんだ?」
「……少なくとも、21までは。
零人が生きた年よりも生きないと、親不孝ですから」
そう言って虚は笑う。
妖艶で、見るものを魅了する笑みで。
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