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 それから、皆は花火大会で良くある出店という出店を全てまわった。  射的、わたあめ、金魚すくい……。  皆両手には沢山の荷物を持っていて、皆笑顔を浮かべていた。  最後に、上がった花火。  神社から見た花火は、少し木で見辛かったけれど、それでも十分見えるものだった。 「……綺麗でしたね」  帰り道、子供たちを送った後に2人きり。  そんな中で、虚が話し出す。 「……そうだね 子供たちも皆大興奮だった。」 「来年も、見に行きたいですね。 ……今度は、2人で」  2人で。  その言葉に、零人は虚の方を向くが、月明かりは表情を照らしてはくれない。 「……そうだね」  だから、そう返すのが精一杯だった。
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