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幕間
時は再び流れ3月。
虚たちは、この街で2度目の冬を越した。
そして、今日は運命の日。
受験の日まで、虚は念入りに勉強していたのだ。
落ちている筈がないと零人は確信しているが、それでも緊張というものはする。
そして、合否発表の時間となる。
零人のスマホは、先ほどから合否のページを更新し続けている。
背中辺りまで髪の伸びた虚が横から覗き込んでくる。
「どうでしたか?」
「……うん、受験番号346番……
受かってるよ!」
「やった……」
よかった、と安堵のため息をつく虚。
その様子を、零人は微笑みながら見ていた。
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